小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ

小山 英樹教育コミュニケーション

「起こるすべてに意味がある」①

「真理」という言葉がありますが、これは根拠や実証によって本当だと認められたことを指します。それに対して「信念」は、あくまで自分次第。自分が本当だと信じることで、それが「信念」になります。
皆さんには、どんな信念がありますか?
私にも、私なりの「信念」があります。それを仲間たちの手を借りて明文化したのが、Refメソッドの5つの「信念」です。メンターの心的態度を示したもの。先週ご紹介した「今、ここが基点である」もその1つです。
「起こるすべてに意味がある」・・・この「信念」によって私のコミュニケーションや授業は大きく変わりました。というより、人生そのものが変わりました。
それまで私の周囲には、「いてほしくない人」がたくさんいて、「起こってほしくないこと」がたくさん起こっていました。私はそういう人たちに迷惑を被(こうむ)り、そういう物事に被害を被っていました。
簡単に言えば「被る人」だったわけです。
被るのはいやですから、「いてほしくない人」に対しては、無視する、戦ってやっつける、足を引っ張る、逃げる、愛想笑いではぐらかす、フリをする・・・そんな対応になります。
「起こってほしくないこと」に対しては、無関係を装う、誰かのせいにする、部下に丸投げする、先延ばしする、嘆きながら適当にやる・・・。
これで、仕事や人生がうまくいくわけがありませんね。
一時期、飛ぶ鳥を落とす勢いで出世しましたが、5年持たずに失脚しました。
職業人としての大転落でしたが、そのまま終わらなかったのは、「被る人」から脱することができたからです。
「いてほしくない人」がたくさんいるのではなく、自分がその人がいる意味に気付いていないだけ、その人から学んだり、その人と協働したりする意志と能力を持っていないだけ。
「起こってほしくないこと」がたくさん起こっているのではなく、自分がその出来事の価値に気付いていないだけ、その出来事から学んだり、そこから新しい価値を生み出したりする意志と能力を持っていないだけ。
・・・そんなふうに人や物事を見られるようになったのです。
続く。