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J E M R O

教育コミュニケーションメソッド

JEMROの大切にする教育メソッド(方法・手法)の1つは「教育コミュニケーション」。
JEMROの提供する教育コミュニケーション講座、アクティブラーニング実践講座、コミュニケーションゼミ虎の穴などの基盤となるメソッドです。

1.「協働する個」を育むために

誰も経験したことのない新しい社会-Society5.0をたくましく生き、社会に貢献するためには、「個」として自立し、なおかつ多様な他者と協働する姿勢・能力を有することが必要です。

そんな大人になっていくための学びのスタイルをOECD Learning Compass 2030は「AARサイクル」と表現しています。児童・生徒自らが学びの主体者として「予察する(Anticipation)→行動する(Action)→省察する(Reflection)」という「AARサイクル」を回すわけです。このサイクルが豊かなものになるよう支援するのが先生。先生に求められるのは、「引き出す・任せる・見守る」という関わりです。

とはいえ、我が国の学校教育には、学びとは「聴く→書く→記憶する」(私は「KKKサイクル」と名付けています)ことだ、そして先生の役割は「与える・教える・させる」ことだという認識が根強くあります。その役割を、多様化・複雑化し続ける社会のなかで果たそうとすること自体が、先生を苦しめているとも言えます。

先生が「与える・教える・させる」を手放し、「引き出す・任せる・見守る」ことで、児童・生徒は自ら思考し、対話し、Society5.0を生きる非認知能力を持った「協働する個」になっていきます。そして先生方も楽になります。そんな関わり方を具体化したものが「教育コミュニケーション」です。

2.「人は総である」という信念で

「与える・教える・させる」から「引き出す・任せる・見守る」へのシフトには、児童・生徒をどういう存在だと見るか、つまり児童・生徒観のシフトが必要です。

もし「○○が無い」存在だと見るならば、先生のコミュニケーションは当然「与える・教える・させる」になります。結果として、児童・生徒は、「与えられる・教えられる・させられる」ことを甘んじて受け入れる「依存」か、反発しようとする「他責・抵抗」の状態に陥り、「協働する個」に逆行するわけです。そして先生の負担や仕事は増える一方です。

教育コミュニケーションは、児童・生徒を「ありとあらゆる資質・能力をすべて持っている“総”である。『○○が無い』ように見える子もいるが、本人が自分の資質・能力に気づいていない、もしくは発揮していないだけだ」と見ます。「引き出す・任せる・見守る」コミュニケーションは、「人は総である」という信念から生まれます。

3.「5つのアクション」が引き出す「3つのRef」

「人は総である」という信念に基づいて具体的に行うのが「傾聴・承認・質問・反映・提示」です。「5つのアクション」と総称します。


まず「傾聴」。良いか悪いか、正しいか間違っているかという評価・判断を脇に置き、相手の言葉と心の声をそのまま受け取ります。


「承認」は、ほめることに加え、相手の存在そのものを認めて言葉で伝えることです。結果承認や行動承認だけでなく、「うれしい」「信じてるよ」といった存在承認や未来承認が大切になります。


「質問」は、興味から相手に問いかけることです。相手の心理的安全性を脅かす「詰問」を手放し、興味から問いかけることが大切です。


「反映」は、目や耳から入ってきたことや感じたことをそのまま言葉にすること。児童・生徒が自身の状態を知ることができるよう「鏡」になって状況を映し出す感覚です。


「提示」は、情報や案、さらには要望を、相手の前にポンと差し出すことです。「自分には提示する権利があり、相手にはそれを受け取る権利も拒否する権利もある」という前提で行うのがポイントです。


こうしたアクションを駆使して関わることで、児童・生徒は、安全安心の実感のなかで試行と対話を重ね、①自分の持つリソースを見つけ(Reflection)、②そのリソースと情報や周囲の人・物事との関係性を考え(Reframing)、③そのリソースを使って行動変容していく(Refreshment)ことができます。

①~③を総称して 「3つのRef」と呼びますが、これこそが「協働する個」へのプロセスなのです。各プロセスを支援するために、論理性を重視したアプローチ、感情を重視したアプローチ、身体感覚を重視したアプローチなど様々なコミュニケーションモデルがあります。

それらをマスターし、相手の認知・行動特性や状況、目的に応じて柔軟にアプローチを選択できるようになると、教育の幅・深さが格段に増していきます。

コーチングに、そしてアクティブラーニングに

教育コミュニケーションを面談など「1対1」の場で行うと、質の高いコーチングが実現します。また、授業や部活など「1対多」で行うと「主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)」になります。

児童・生徒との円滑な関係を築き、やる気と能力、成長を引き出すことのできるコミュニケーションです。そしてそのことが先生の負担を軽減するとともに、自信、勇気、喜び、やりがいを高めます


人は、思考と対話を日々繰り返ながら生きる社会的動物です。ですから、思考と対話の質は、人生の質そのものである言っても過言ではありません。先生方をはじめとする教育関係者や親御さんに教育コミュニケーションを習得・実践いただくことにより、子どもたちの思考と対話の質が高まり、社会全体の思考力・対話力が高まっていきます。

先生自身のWell-Being、子どもたちのWell-Being、そして社会全体のWell-Being実現のために教育コミュニケーションを一緒に探究していきましょう。