小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ

小山 英樹教育コミュニケーション

Zoom①

Zoom。
これまで見たことも聞いたことも無かった人も、Zoom会議、Zoom授業・・・。新型コロナで一躍脚光を浴びているオンライン会議システムです。
私たちは1年ほど前からたびたびミーティングで使用していましたが、ここに来て活用範囲が大きく拡がりました。先日からZoomによる10回シリーズの研修を開催したり、先週末のJEMRO(日本教育メソッド研究機構)の理事会と総会を初めてZoomで行ったり。来週末の日青協(日本青少年育成協会)理事会もZoom開催です。
「便利」「楽しい」だけでない、オンラインゆえの難しさも感じています。
その最たるものが、「非言語情報のキャッチ」
対面研修・授業・会議の場では、メンバーが「時間」と「空間」を共有します。でもZoomで共有するのは「空間」を共有できません。
ある夜のZoomミーティングにアルコールが入っている参加者がいました。「空間」を共有していれば、その酔いの度合いをキャッチできるのですが、それができない。ですから、彼の発言が、正常な思考からのものなのか、酔ってのものなのかがつかめない。こちらの発言がどれだけ相手の意識に届いているのかも分からない。
これは、もどかしいを超えて、悲しい体験でした。
授業や研修になると、酔っている/酔ってないとか、そんなレベルとは比較にならないほど微妙な非言語情報をキャッチしながら進める必要が生じます。それが難しい。だって、画面と声だけなのですから。
授業でも同様です。
Zoomにログインする直前に親とケンカしてた生徒がいるかもしれない。カメラの死角にゲームで遊ぶ弟や妹が寝転がっているかもしれません。「空間」を共有しないことで生じる環境の違いをどうつかみ、どう対応すればいいのか。
うんうんとうなづきながらまったく聴いていない生徒、分かった顔をして理解していない生徒、こっそり先生に質問したがっている生徒・・・「空間」を共有していれば感じ取れる個々のマインドの状態をどうつかみ、どう対応すればいいのか。
難しいのですが、そのレベルを上げていかないと、生徒を置き去りにしたり、逆にくどくて退屈な授業になってしまったりするわけです。
続く。