小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ

小山 英樹

創造的思考①

維持する。
改善する。
創造する。
あなたは3つのうちどの行為が得意でしょうか。
どの行為に魅力を感じるでしょうか。
人生でこれらのうちの1つを担当しているとするならば、それはどれでしょうか。
私はいくつかの企業に顧問や研修担当として中長期的に関わっていますが、すべての経営者が共通して社員に望んでいるのは「創造する」力の向上です。
「頼むから、これまで通りやってくれ」「お願いだから、新しいやり方を目指さないでくれ」などと思っている経営者はいません。会社には歴史があり、伝統があり、過去の実績があります。守るべきもの、大切にすべきものがたくさんある。でも、その量や範囲を、その維持に注ぐエネルギーを、どんどん削減していこうとする傾向が見られます。
これまで通りやる、言われた通りやる、マニュアルやルールに沿ってやるのが得意な社員はたくさんいます。それはそれで尊く素晴らしいことなのですが、いま私たちが生きている社会は徳川400年の天下泰平でもなければ、1960~70年代高度経済成長期でもなく、日々加速度を増しながら変化し続けています。「『維持』は『衰退』を意味する」ぐらいに考えている経営者から見れば、「維持」しようとする従業員、「改善」に注力する幹部は不十分。そこに「創造」の意図や行動を強く求めるのです。
とはいえ、「創造」に魅力を感じない人、「創造」が得意でない人は少なくありません。「創造的に考えろ」などと言われても、ときめかないし、何をどうしていいのか分からない。
「子どもたちの創造力を高めたい」と思いながらも、創造力とは何かを理解していなかったり、自らの授業やコミュニケーションが創造的でなかったりする教員もいるでしょう。
これは、良い、悪いは別にして、「現実的思考」「再生的思考」「応用的思考」「論理的思考」を重視する教育の成果であるとも言えます。
※「創造」については2019年10月14日にも記していますのであわせてご覧ください。