小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ
小山 英樹教育コミュニケーション
何を求めての行動か①
人間のすべての行動は、肯定的欲求によって起こります。
行動の根っこにどんな欲求があるかを探究するのは、とっても価値のあることだと私は思います。
「タバコがやめたい、でもやめられない」と悩んでいる人がいました。Aさんとしましょう。
小山「タバコを吸うとどんな気分になるんですか?」
A「落ち着くというか、癒されるというか・・・」
小山「なるほど、タバコを吸うと落ち着くというか、癒されるというか、そんな気分になるんですね」
A「はい」
小山「落ち着きたい、癒されたいっていう欲求があるとしたらどこにあります?」
A「頭?心?いや、身体かな・・・?全身ですね」
小山「へ~、全身か」
A「疲れではないんですよね。何か満たされない感じかな」
小山「満たされない感じ・・・」
A「いま・・・ふっと・・・浮かんできたのは家族ですね、家族のだんらん。子どもが小さい頃はタバコをやめてたんですよね。吸いたくなかったんです」
小山「へ~、そうなんですか」
A「満たされてたのかな?うん。たぶん」
小山「家族のだんらんとタバコ、関係があるとしたらどういう関係でしょう?」
A「家族が満たしてくれていたものが無くなった、それをタバコで満たしている?・・・なんか変ですよね?」
小山「心も身体も、変なことをやっちゃうもんなんです」
A「じゃ、家の雰囲気が変わればタバコはやめられるのかなぁ」
小山「どう思われますか?」
A「なんだかね、居場所が無い気がしてるんです、家に。二人の子どもたちは部活や友達に興味が行ってるし、妻はいまボランティアに一生懸命だし。で、その三人は仲良く話してるんですが、私は話題についていけないんです。だから黙って食事して、ビール飲んで、ベランダでタバコを吸うんです」
小山「やってみるとしたら、どんなことがありますか?」
A「家族に話しかけることですかね。あ、あと、もうすぐ上の娘の誕生日なんですよね。何かプレゼントしようかな?」
小山「なんか、楽しいオーラが出てきましたよ、身体から」
A「そうですか?そうですよね。なんかワクワクしてきた。妻と相談して、何かサプライズを考えます」
小山「やってみましょう!きっとうまくいきます。報告を楽しみに待っています」
続く。