小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ
小山 英樹教育コミュニケーション
人前で話す力①
人前で話す力・・・。「社会人として不可欠とは言えないまでも、高いに越したことはない」・・・そんな位置づけの能力でしょうか。
講演やセミナーを職業の一部としている私ですから、その能力が高い部類に入るでしょう。でも案外偏りがあるのです。
1人~3人の前で話すのはOK。30人の前で話すのもOK。1,500人を前に講演したこともありますが、平気で楽しく話せます。
ところが、苦手なゾーンがある。4~20人ぐらいの規模。
おそらく、私にとって「個」に語るモードと「集団」に語るモードとがあって、その境目に難しさを感じるのだと思います。
「個」のモードだと、一人ひとりの反応をキャッチして、それに身体が対応する。
「集団」のモードだと、「集団」の反応をキャッチして、それに身体が対応する。
4~20人は、この2つのモードのどちらのモードにも当てはまらないというか、頻繁な切り替えが必要というか・・・。とにかく私の中にギクシャクが起こるのです。
皆さんはいかがでしょうか。
先週長崎県で行った「職業人間力向上講座」には、今春・昨春入社、年齢でいえば18歳~24歳の若者ばかりが集まってくれました。
彼らに共通して見られたのは、「全体に向けて話すのが苦手」という傾向。一人ひとり、立ってもらい、「簡単に自己紹介を」と促したところ、「堂々と」「はきはきと」「分かり易く」といった評価に値する発表はゼロ。「モジモジ」「もごもご」「何言ってるのか分からない」という発表ばかり。
これまで、人前で話す力の弱い若者を否定的に見ていた自分が居ました。「モジモジ」「もごもご」「何言ってるのか分からない」は、ダメ、へなちょこ、情けない、シャンとしろ・・・と。
でも、今回の講座で、そんな見方にちょっとした変化が。
それが、冒頭に書いた、「人前で話す力」=「社会人として不可欠とは言えないまでも、高いに越したことはない」という感覚です。
続く。