小山英樹のみらい教育LABO 記事アーカイブ

小山 英樹

なんでこんな給料!?②

「皆さんはいろんな企業の『営業利益率』って、だいたいどのぐらいだと思っていらっしゃいます?」・・・某県の高等学校進路指導研修会で発した私の質問。
挙手で答えていただきました。
「50%以上はいくだろう。つまり、売上の半分以上は会社の利益として残るんじゃない?という方挙手してください」・・・100名のうち、パラパラと数名の先生の手が挙がったのです。
「次、半分はいかないけど、40%ぐらいかな?と思う方」・・・10名ほどの先生が手を挙げました。
「30%ぐらいかな?」と「20%ぐらいかな?」が最も多く、30名ずつぐらい。
「おたくら、それでよう進路指導してますね!」「若者たちが『給料安い』って嘆く根源はおたくらのキャリア教育ちゃいますか!?」と言いたい気持ちを抑えて説明しました。
「営業利益で30%を叩き出すのは、バケモノ企業レベルです。よっぽど大ヒット商品を飛ばしたか、よっぽど悪いことをしているかです」「営業利益というのは、経費を削って削って絞り出して、ようやく3%とか5%。10%なんていったら超優良企業!なんですよ」と。
話は変わりますが、先日、某社の社員とコーチングセッションをしました。高卒2年目、給与計算補助と伝票処理を行っている総務系の社員です。
社員「給料が仕事に見合っていないと思うんです」
小山「何にそれを感じるの?」
社員「だって、私の給料、〇〇部長の3分の1ぐらいなんです。〇〇部長なんて、担当営業先もないし、事務処理もしないし、タバコ吸ってばっかりで」
小山「なるほど、給料が〇〇部長の3分の1ぐらいなんだ」
社員「つい先日入社した△△さんでも、私の倍ぐらいあるんです。いくら大卒でも高すぎません?」
小山「あぁ△△さんって、こんど品質管理部の課長になる人だね?」
社員「◇◇工業に勤めてたからって、まだ製品の名前も取引先も何も知らないのに、いきなりあの給料はおかしいと思います。いろいろ手当もついてるし。こっちは有給休暇もとれないぐらい忙しくしてるっていうのに!ブラックです、うちの会社」
傾聴、傾聴のコーチングをした後、給与・人件費というものの考え方を一般論として紹介しました。
学校だけの責任ではありません。それぞれの立場から若い人たちに、仕事とは何か、給料とは何か、経営とは、利益とは、サービスとは、経費とは・・・経済活動に関するいろんなこと、生々しいお金のことを学ぶ機会を提供する必要がある。それも重要なキャリア教育だと考える今日この頃です。